『上海レポート1 〜早速工場へ』
中国上海を訪れた。幸いというか時同じく滋賀銀行が上海事務所を開設する日で、その場にも居合わせる絶好のタイミングであった。
そもそもは中国と永年取引を重ねてこられたS社会長に同行したものである。何分中国語は皆目だめ、実情にも疎い私としてはとにかく会長に密着することにしていた。
まず入国審査が不安だった。というのも年初に米国に行った折、書類の不備と滞在先が知人の家というためか、担当官にしつこく聞かれ、入国審査に1時間以上もかかったことが頭にあったからである。ところが実際には実にあっけなく通ってしまった。それも旅行者の長い列を尻目に外交官等の表示が出ているところから並ぶ暇も無く通ってしまった。空いていればこれでいいんだとの会長の一言で、この先が実に心強く感じられたものである。
待ち合わせ場所の花屋の前に行った。ところが迎えの人が来ていない。近くを探し回るも見つからず丁度1時間が過ぎた頃、ついにその人が現れた。我々の到着は10時45分なのに連絡された時間は11時45分とのこと。時差が1時間なのに、どうも日本時間でそのまま伝わったらしい。
早速迎えの車に乗り込み最初の目的地、取引先の本社工場に向かった。快適に整備された高速道路をおよそ40分、工業団地の中に目的地があった。高速道路が2,3年前に整備され実に便利になったとのことだった。会議室に通されたそこには数日前から滞在していた社長の顔もあり、何となく安堵した気分であった。そしてその迎えの人、名刺をもらってもよく理解できず通訳の人と思い込んでいた人が、1300人を雇用している会社の社長であることを始めて知り恐縮してしまった。
小憩の後早速工場を案内してもらう。工場は4棟、その他の建物が3棟、十分な広さで整然と並んでいる。他にも3ヶ所に工場があるとか、その全体像は到底私のイメージでは無理である。加工、検査、材料保管と順番に工場棟を見て回った。様々なレポート等で見慣れた光景、実に大勢の工員が作業をこなす光景が眼前に広がっていた。最後の検査場では、日本の納入先からの要求を満たすべく打ち合わせを繰り広げる日中の集団がおり、日本の店頭に並ぶ商品がこうして作られているのだと実感した。と同時に会長のこれまでの苦労話が実感として理解できたように感じられた。
本社横の建物壁面には「品質は命です」と日本語で大書されているのがいやでも目に入る。わざわざ日本語で書いてあるのは私たちにアピールする意味だろうと理解した。


2003/12/16(Tue)



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